なんにもできない

とにかく何もしたくない。
更年期症状を軽くすると言われている運動なんて…とうてい無理。
思考も止まるし、記憶を呼び出すのも反応が遅くなった気がする。
外に出るのも、人に会うのも最小限。
だるさに、肩こり、関節痛。
吐き気やめまいに倦怠感。
もう、ずっと横になっていたい。
マッサージでも受けに行きたいけど、着替えなきゃいけないし、お金もかかるし…。
なんて思っては、ひとアクションするのに、いちいち理由をつけて動けませんでした。
だけど、そんな自分にうんざりもしています。
変わりたい気持ちはあるけど、行動化できない自分に。
頭の中はぐるぐる、心無い言葉も
「すぐに変われなくてもいい、今は休みが必要!」とか
「私の心も体もゆっくりしたいって言ってる!」とか
「これまでノンストップで頑張って働いてきたんだから、いいじゃん!」

色んな自分が出てきます。
感情はコントロールできず、気分もコロコロ変わります。
そして、このままじゃダメだと思えば思う程、
他人の目も気になりなるようになっていきました。
幸い、夫は何も言わずに見守ってくれていて、本当にありがたいです。
けれど、口には出さないだけかも…と変な勘ぐりをしてしまったり。
母からは「気合が足りない!」「なんでも更年期のせいにするな!」と言われ、
職場の人からは、「手術したのに、全然動けないじゃん」「精神科行った方がいい」と、なかなかキツイ言葉もたくさん投げられました。
体もどんどん太っていき、髪の毛も抜けてカッパみたい。
好きな服も入らなければ、好きな髪型もできなくなってしまった。
外に出かける喜びよりは失い、一人で引きこもる生活になっていきました。
更年期症状は個人差も大きくて、症状は見た目では分からないことが多いです。
なので、なかなかそれを理解してくれる人は少ないですし、誰かに理解を求めたら苦しくなることも経験しました。
誰かに求めすぎず、誰かに甘える方法も分からず。
そこで色々試行錯誤中の私は、少しずつ工夫して、自分に優しくする方法を考えることにしました。
更年期で「動けない自分」に優しくする方法
① 無理に“前の自分”に戻ろうとしない
更年期のつらさの一つは、「前は普通にできたことができない」というギャップが存在します。
でも、ホルモンの変化は“怠け”ではなく身体の自然なリズムの変化なんです。
季節が巡るように、自分の体も「次のフェーズに切り替わる時期」だと思ってみる。
② 「やらない勇気」を持つ
疲れている時は、“できることを増やす”よりも、“やらないことを決める”ほうが良い。
✔ 家事は完璧じゃなくていい
✔ SNSや人との比較から距離を取る
✔ 一日中寝ていてもいい
少しずつ今の自分の選択に優しくしてみる。これを積み重ねていくと、
“動けない自分”を責める気持ちが少しほどける。
③ 自分を観察する
毎日、自分の体に耳を傾ける。体調を0〜10のスコアで考えてみる。
自分の“調子の波”を見れば、「動けない=ダメ」ではなくて、「今日の波」と受け止められる。
④ 小さないたわりを生活に取り入れる
動けない日でも、ほんの小さな“自分をいたわる動作”を試してみる。
たとえば:
- 白湯を一口ゆっくり飲む
- 好きな香りを嗅ぐ
- 髪をとかす
- 視線を少しだけ上にして深呼吸をする
- 好きな音楽を聴く
- 大の字になって寝てみる
- マッサージをする

「できた」ことをしっかり味わってみたり、眠る前におさらいする。
鏡を見ながら、姿勢を良くして、声に出して言ってみるのも効果があります。
⑤ 助けを借りる
誰かに助けてもらうのは“弱さ”ではなく、“自分を守る力”。
- 家族に「今日は少し休むね」と伝える
- 病院でホルモンバランスを相談する
- 同じ経験をしている人の話を読む
それだけでも、心がふっと緩みます。私は、更年期について取り上げた番組を観て、とても救われました。それぞれ症状は違うけど、社会的にももっとオープンに語られて欲しいと思っていたので、その番組を観てどこか嬉しい気分にもなれました。
⑥ 「動けない時間」も、人生の一部と受け入れる
動けない時期は、“次の生き方を組み立てる準備期間”でもある、と思ってみる。
焦らず、自分に耳を傾けることで、「何を大切にしたいか」「これからどう生きたいか」が少しずつ見えてくるチャンスでもあります。
“休む”も“動く”も、どちらも生きている証拠。
なんとかなる。


