道具も時間もいらないセルフケア――深呼吸が心と身体に効く理由

看護
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はじめに

「自分の呼吸を意識したことはありますか?」
忙しさやストレスで、いつのまにか浅く速い呼吸になっている…
実はあまり意識していなかったと、
共感されやすいことも多い「呼吸」について。

ヨガなどを行う方は、身近に感じるかもしれませんが、
今回は、そんな呼吸について掘り下げていきます。


浅い呼吸が起きる理由

ストレス・不安

交感神経が優位になる
→ 呼吸が速く、浅くなる。
→ 胸だけでする呼吸。

ただし、女性は元々胸式呼吸が多く、
男性は腹式呼吸が多いといわれています。
骨格や筋力によって呼吸式は必ずしも性差だけではありませんし、
胸式呼吸が悪いわけではありません。

長時間の同じ姿勢

スマホ・PC・運転・家事など
→ 胸郭・横隔膜が動きにくくなります。

緊張や過集中

頑張りすぎのとき、
人は無意識で呼吸を止めてしまったり、

なにかに夢中になっていると、
案外、呼吸が止まってしまうことがあります。

浅い呼吸が続くとどうなる?

・疲れやすい
・肩こり
・自律神経の乱れ
・睡眠の質が落ちる
・消化機能の低下

こうした変化が出てきます。

そんな、悪循環になる前に、
小さなリセットとして深呼吸が役に立ってきます。


深呼吸の効果

自律神経を整える

ゆっくり吸って、さらにゆっくり吐く
→ 副交感神経が優位になります。

特に「長く吐く呼吸」は、迷走神経(副交感神経の中心)を刺激して、
心拍数を下げ、血圧を安定させることがわかっています。

緊張をほどいてリラックスでき、
疲れにくく、判断力も戻ってきます。

内臓の動きが良くなる

横隔膜がしっかり上下することで、
・胃腸の動きが刺激される
・腸のマッサージ効果
・腹部の血流改善

お腹があたたかくなるイメージです。
腸の動きが改善すると、お腹も自然とやわらかく動いてくれます。

体のめぐり(血液・リンパ)が整う

浅い呼吸は胸の小さな動きだけですが、
深い呼吸は体の中心(横隔膜と腹部)まで使います。

全身の循環が底上げされて、
腹部にたくさんある血管やリンパの動きも整います。

脳の緊張をゆるめる

深呼吸で酸素供給が整うと、
・思考の渋滞が解消される
・「いまここ」に戻れる=マインドフルネス
・感情の波がすこし落ち着く

呼吸をゆっくり整えることで、
不安や恐怖に関わる「扁桃体」の興奮が落ち着き、
思考を司る「前頭前野」が働きやすくなることも知られています。

運動より続けやすい“習慣”

呼吸は、場所も時間も選ばず、
特別な道具も要りません。

運動よりも、ハードルが低く、
続けたい習慣にもしやすいですね。


深呼吸のやり方――実践法

姿勢

・背もたれに軽くもたれ、胸がつぶれないように
・肩の力をふっと抜く
・胸やお腹に手をあててみる
・無理に姿勢を良くしすぎない
・寝たままでもOK、座ったままでもOK

呼吸の仕方

  1. 鼻から4秒かけて吸う
  2. 口から6〜8秒かけて吐く
  3. “吐く方を長く” を意識
  4. 無理はせず、浅くてもいい

秒数にこだわらず、まずは自分の心地よい長さでOK。
1メートルくらい先のロウソクの火を、そっと消すようなイメージ。
慣れてきたら、口をすぼめてやってみる。
ストローを加えて行ってもOK。

1分でも十分

長くやることよりも、
こまめにやってみる。

例えば、
・布団に入ったとき
・トイレのあと
・食事のあと
・立ち上がる前  など

生活の一部に入れていくと
いつの間にか、呼吸がしやすくなっていきます。

そして、
・仕事や家事の区切り
・不安が高まった瞬間
・集中したいとき  など

意図的に取り入れるのも効果を感じられると思います。


おわりに

深呼吸は「頑張るため」ではなく
心や体にやさしい小さな習慣です。

肺は普段、100%の力で動いていません。
少しずつ固くなってしまう臓器の1つでもあります。

肺そのものだけでなく、
胸郭や横隔膜、呼吸に関わる筋肉が、
使わないことで少しずつ動きにくくなっていきます。

ただその分、
使い方次第でリラックスできたり、
柔らかさをある程度維持できる器官。

呼吸をするには、多くの筋肉も関わっています。
なかでも横隔膜は最も大きな筋肉です。

横隔膜を動かすことで、
全身のめぐりを良くして、
腸活にもつながります。

腸と脳の関係や、ホルモンの分泌にも。
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、
セロトニンなど心の安定に関わるホルモンの約90%が腸で作られています。

呼吸という、
とても当たり前で、
でも大切な小さな習慣が、
じわじわと心と体を支えてくれます。

そんな深呼吸を、
上手に日常に取り入れられたら、
色々な場面で助けてくれます。
小さな習慣がみなさんの「お守り」になってくれますように。


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