はじめに
気持ちが急に落ち込んでしまったり、
どうしていいかわからなくなる瞬間はありませんか。
普段なら乗り越えられることでも、
心が疲れているときには、
同じように考えたり行動することが難しくなることがあります。
そんなとき、「どうしたらいいか」をその場で考えようとしても、
うまく答えが出てこないことも少なくありません。
だからこそ、少し余裕があるときに、
「つらいときの自分を支えるための準備」をしておくことが大切です。
それが、「クライシスプラン」という考え方です。
この記事では、医療の現場でも使われているクライシスプランについて、
日常の中でやさしく取り入れられる形でご紹介していきます。
クライシスプランとは
クライシスプランとは、
気持ちが不安定になったときや、つらい状態になったときに備えて、
あらかじめ自分を支える方法を整理しておくものです。
もともとは医療や福祉の分野、特に精神科領域で活用されているもので、
再発予防やセルフケアの一環として取り入れられています。
たとえば、状態が悪化する前のサインや、
そのときに有効だった対処法、
周囲にどのように関わってほしいかなどを、あらかじめ整理しておきます。
そうすることで、いざというときに「何をすればいいか」がわかりやすくなり、
自分自身や周囲の人が適切に対応しやすくなります。
専門的な場面で使われることが多いですが、
この考え方は、誰にでも役立つものだと感じています。
なぜクライシスプランが必要なのか
心が大きく揺れているとき、
人は冷静に考える力や判断する力が落ちてしまいます。
普段ならできていることができなくなったり、
視野が狭くなってしまったりすることもあります。
そんな状態の中で、
「どうしたらいいか」をその場で考えるのは、とても難しいことです。
だからこそ、元気なときの自分が、
少し先の自分を支えるために準備しておく。
それがクライシスプランの大きな役割です。
また、自分の状態をあらかじめ言葉や形にしておくことで、
今の自分がどの位置にいるのかを客観的に捉えやすくなります。
ビジュアル化しておくと、
「まだ大丈夫な段階なのか」「少し休んだ方がいいのか」など、
判断のヒントにもなります。

日常の中で活かせるクライシスプラン
クライシスプランは、特別な状況だけのものではありません。
たとえば、子育てや介護で自分の時間が取りにくいときや、
思春期や更年期など、ホルモンバランスの影響を受けやすい時期にも、
自分の状態を把握する手助けになります。
日頃なんとなくやっている「好きなこと」や「落ち着く行動」も、
意識して言葉にしておくことで、
いざというときの大切な支えになります。
また、クライシスプランを家族やパートナー、信頼できる人と共有しておくことで、
自分がつらいときに、どのように関わってほしいかが伝わりやすくなります。
調子が悪いときには、状況を丁寧に説明する余裕がないこともあります。
そんなときでも、あらかじめ共有されている情報があれば、
不要な誤解やすれ違いを減らすことにもつながります。
ジャーナリングとのつながり
クライシスプランを考えるうえで、
「自分を知ること」はとても大切です。
どんなときに疲れやすいのか。
どんなことがあると安心できるのか。
そうした気づきは、日々の中では見えにくいこともあります。
そんなときに役立つのが、ジャーナリング(書くこと)です。
頭の中にある思考や感情を書き出すことで、
自分のパターンや傾向に気づきやすくなります。
その積み重ねが、
「自分に合ったクライシスプラン」をつくる土台になります。
※ジャーナリングについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
おわりに
クライシスプランは、
「何かあったときに使うもの」ではありますが、
持っているだけで少し安心できるものでもあります。
使わない日が続いても大丈夫です。
それは、穏やかに過ごせている証でもあります。
そしてもし、少しつらくなったときには、
あらかじめ用意しておいた「自分を支える方法」が、
そっと力になってくれるかもしれません。
いざというときのために、
静かに寄り添ってくれる“もうひとつの自分”として、
心の中に置いておけたらいいですね。
ジャーナリングも、クライシスプランも
未来の自分を支える小さな準備です。
少しずつ、自分に合うかたちで整えていけたらいいのかもしれません。

※現在、実際に使えるチェックシートも準備中です。
完成次第、こちらの記事でもご案内します。

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