「はたらく細胞」が気づかせてくれたこと

看護師エッセイ
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テレビで、なんとなく、勉強になるかな、
くらいの気持ちで、映画『はたらく細胞』を観ました。

白血病(血液のがん)のために、
体の中で細胞がそれぞれの役割を果たし、
命がけで体を守っていく物語です。

その中で、こんな台詞がありました。
「お前は、お前の仕事を全うしろ」

なぜか、その言葉が強く胸に残りました。


私はこれまで、仕事に関して
「好きな色より、似合う色」
という考え方を大切にしてきました。

自分がやりたいことよりも、
今の自分に“似合っている”役割は何か。
今の自分に”求められている”ことは何か。

一時期は、それを座右の銘のように
心に置いていたこともあります。

今でも、それは間違っていないと思っています。

最近、もうひとつ
こんな言葉を知りました。

「花は、咲くべきところに咲く」
無理に咲かせなくても、比べなくても、
花はちゃんと、自分の場所で咲く。
自分の合った環境で咲く花が美しい。


それぞれの細胞が、がんという変異に
ただひたすら一生懸命戦い続ける。
そんな姿を見て、ふと気づいたのです。

体の中の細胞も、
誰かに評価されるわけでもなく、
目立つわけでもなく、

ただ「自分の仕事」を
黙々と全うしている。

それなのに私は、
長い間、体の声を聞かず、
体の中の戦いを無視してきました。

疲れても、痛くても、
「まだ大丈夫」
「あれやらなきゃ」
「急いで終わらせなきゃ」


今になって思います。
あの頃の体も、
ちゃんと咲くべき場所を
必死に探していた。
必死に戦ってくれていた。

だから今は、
過去の自分と和解したいです。

今まで、ごめんなさい。
そして、感謝が足りませんでした。
色々乗り越えて、守ってきてくれた。


病気の経験は、
何かを失うだけの出来事ではありません。

身の回りの人や環境への感謝。
当たり前だと思っていたことが、
実はとても恵まれていたと知れる機会。

自分の体と向き合い直す時間であり、
「似合う生き方」を
もう一度見つめ直す機会でもありました。

頑張れなくても、
何もできないと感じる日でも、
体の中では、命が続いている。

花が咲く場所を間違えないように、
細胞たちが役割を果たすように。

体の中では今日も、
誰にも見えない闘いが続いています。

自分の体の声を聞きながら、
今日できることを、今日の分だけ。


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