はじめに
ストレスの蓄積やホルモンバランスを崩したとき。
ヒステリー球の症状が出て、
のど元が圧迫されるような違和感や苦しさを感じる時などはありませんか?
ヒステリー球とは
ヒステリー球は、医学的には「咽喉頭異常感症」と呼ばれ、喉の異物感・閉塞感・圧迫感などを訴える一方で、検査上は明確な異常所見を認めない症候群です。精神的ストレスや自律神経機能の変化、逆流性食道炎などとの関連が指摘されています。
私は一時期、
月経や排卵日のたびに、ヒステリー球を感じることがありました。
よく扁桃腺も腫れやすかったので、
はじめは、のど元の違和感を「また扁桃腺腫れちゃったのかな」くらいに思っていました。
けれど、いくら覗いてものどは腫れていない。
それでも「私は若くて健康だ」と思い込んでいたところもあって、
しばらく放置していました。
緊張しているとき、
落ち込んでいるとき、
やる気が出ないときなど。
今も、そんな日があります。
そこで今回は、
自分でも自覚できていないストレスを感じた時や、
自律神経がみだれたなと思った時にできる『視線の工夫』についてまとめました。
同じように、のどの違和感=ヒステリー球を感じている方や、
少し気分を変えたい時に役立ててもらえたら嬉しいです。
見えない変化
先ほども少し触れましたが、
私がはじめてヒステリー球を感じたとき、
仕事が忙しいのは通常で、
何かにすごく悩み倒しているわけでも無かったのです。
明らかなストレスや寝不足などのように、
わかりやすい原因や自覚がある疲れや緊張もあります。
けれど、
特別思い当たることがないときや、
ちょっとした季節の変化のように、
目には見えないような小さな変化でも
心や体にいつの間にか影響を及ぼしています。
なんだか寝付けないとか、
なんとなく怠いとか。
そんな時に深呼吸も効果を発揮しますが、
それだけではうまくいかない時もあります。
そこで、合わせ技として
視線を少しだけ上にするということを試してもらえたらと思います。
視線を上にする効果
視線をわずかに上へ向ける動作には、
首や喉周囲の筋緊張を和らげ、
浅くなりがちな呼吸を整えやすくする作用があると考えられています。
ここでのポイントは、
首ごと上に向けるのではなく、
眼球だけをほんの少し上にするだけの動きです。
顎を引かずに、上目遣いをするような感じです。

この眼球を上転させる動きは、
脳の覚醒状態や自律神経活動にも影響を与える可能性も示唆されていて、
リラックス時にみられる眼球運動との関連も指摘されています。
そのため、
不安や緊張による喉のつかえ感(ヒステリー球)や、気持ちの高ぶり、不眠時の緊張感をやわらげるセルフケアの一つとして役立つ場合があります。
実は、眠りにつく時や、
強くリラックスしていく過程では、
眼球が上方向へ動くことがあります。
眼球運動は脳幹や自律神経系とも関連しているので、
視線を上方向へ向けることで、
注意や情動に関わる神経活動の切り替えが起こりやすくなる可能性があります。
特に、緊張時に固定されやすい視線や
前傾姿勢を緩めることで、
副交感神経優位へ移行しやすくなり、
呼吸や心拍、筋緊張の安定につながると考えられます。
私は、病院で血圧を測る前などにも、
この「少しだけ視線を上げる」という動きを意識することがあります。
緊張すると、どうしても呼吸が浅くなり、
体にも力が入りやすくなるためです。
もちろん医学的に血圧を下げる方法というわけではありませんが、
深呼吸と一緒に行うことで、
自分の感覚としては数値が落ち着きやすく感じています。
PCやスマホ、TVなど
前かがみで視線が下にいく動作は、
多く日常内で行われていますよね。
思っている以上に、
普段は視線を落とすことはしているのです。
その分、
視線を上にすることを意識してみる。
それだけでも変化を感じられるのは分かる気がしますよね。
眼球だけじゃない首や手の位置で得られる効果
実は、眼球だけではなく、
首や手を上にあげることでも様々な効果がみられます。
首や腕を上へ伸ばす動作によって、
胸郭や肩周囲の筋肉を広げ、
呼吸を深くしやすくする作用があります。
特に、緊張や不安が強い状態では、
無意識に肩が内側へ入り、
首や喉周囲の筋緊張が高まりやすくなります。
そのため、上方向へのストレッチによって姿勢や呼吸の改善につながる場合があります。
自然と深呼吸がしやすい姿勢になるわけです。
ラジオ体操のはじめに、深呼吸をするときに腕を上下させますよね。
これはまさにこの呼吸をしやすくする胸郭の動きです。
また、腕を挙上する動きは、
胸を開く姿勢を促してくれるので、
自律神経系にも間接的な影響を与える可能性があります。
深い呼吸と組み合わせることで、
副交感神経が優位になりやすくなり、
喉の圧迫感や緊張感、
不安時の身体のこわばりを和らげる一助となることがあります。
上を向く動作や腕を挙上する姿勢は、
頸部・肩甲帯周囲の筋緊張を緩和して、
呼吸補助筋の動きを改善させることで換気を助けてくれます。
姿勢の変化や深呼吸による感覚を自分の体に入力することで、
自律神経系や情動に関わる脳領域へも影響を与えると考えられています。
行動のあとに、やる気が出るというメカニズムのことですね。
緊張からリラックスモードに切り替えるスイッチとなるのが、
「眼球の上転運動」「首や腕を上に向ける動き」なのです。
・深呼吸
・視線を上にあげる
・首を上にむける
・腕を上にあげる
この動きは、
意図的に心身の緊張を切り替えるための小さなセルフケアです。
場所を選ばず実践できる
さきほど挙げた行動は、
例えば
朝起きる前に寝たままでもできたり、
トイレの中で用をたす時でも、
歯を磨きながらでもできるものばかりです。
最近、約1か月腰痛で思うように動けず、
痛みのストレスは大きいです。
そんな時にヒステリー球が出てしまって、
呼吸が浅くなる感覚や、のど元の圧迫感を強く感じる日がありました。
腰が痛いと、自然と前かがみになり、
視線も下がりやすくなります。
すると、呼吸も浅くなりやすく、
体も緊張モードから抜けにくくなってしまいます。
そんな時に、深呼吸と一緒に
ほんの少しだけ視線を上げる。
腕を軽く上に伸ばしてみる。
スマホを持つ手を少し上げてみる。
それだけでも、喉や胸まわりの圧迫感が少し和らぎ、
「苦しい」だけに意識が集中していた状態から抜け出しやすくなる感覚がありました。
もちろん、これだけで症状が治るわけではありません。
けれど、自律神経が乱れている時や、
無意識に体が緊張している時ほど、
「姿勢」や「視線」は思っている以上に影響しているのかもしれません。

実践するときの注意点
今回ご紹介した方法は、
自律神経の乱れや緊張をやわらげるためのセルフケアのひとつです。
ただし、強く首を反らせたり、
無理に姿勢を保とうとすると、
かえって首や肩へ負担がかかる場合があります。
視線は「ほんの少し上」に向ける程度で十分です。
呼吸が止まらないように、ゆっくり深呼吸しながら行ってみてください。
また、めまいや強い痛みがある時、
喉の症状が長く続く時、
飲み込みにくさや呼吸苦を伴う場合などは、
別の病気が隠れていることもあるため、医療機関への相談も大切です。
おわりに
気持ちが落ち込んでいる時や、
体が緊張している時ほど、
人は無意識にうつむき、呼吸も浅くなりがちです。
だからこそ、
少しだけ視線を上げる。
少しだけ胸を開いてみる。
そんな小さな動きでも、
体と心のスイッチを切り替えるきっかけになるのかもしれません。
「なんとなく苦しい」
「理由はわからないけど緊張している」
そんな時に、
思い出してもらえるセルフケアのひとつになれば嬉しいです。


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