お金だけじゃない「人生の資産」とは――体は資本という現実から考える

看護師エッセイ
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はじめに

最近、
資産運用や投資の話をよく耳にします。
NISAやiDeCo、ふるさと納税など、
以前よりも「資産」という言葉が身近になったように感じます。

株や不動産、暗号資産など、
お金を増やす仕組みについて知ることは確かに大切です。
もっと勉強してみたい分野でもあります。

物価が上がり、将来の生活が見えにくい今、
少しでも安心材料を増やしたいと思うのは自然なことだと思います。

けれど、人生の資産は「お金」だけではないかもしれません。


体は資本という現実

「体が資本」という言葉があります。

看護師として働いてきた私は、
この言葉の意味をとても実感しています。

・命を預かる責任のある仕事
・小さなミスも許されない
・慢性人手不足で忙しい
・働く時間も不規則
・常に気を張っている

そして多くの場合、
体力的にも精神的にも負担が大きい仕事です。

それでも給与は決して高いとは言えず、
都内で暮らすとなると手取り20万円台では
生活は思っている以上に余裕がありません。

若い頃は体力で乗り切れても、
年齢を重ねると状況は変わります。

更年期や体調の変化、
体力の低下。

夜勤やオンコール対応などができないと、
手当が減り、給与が下がる。

どんなに仕事が好きでも、
体がついていかなくなることもあります。

「体が資本」という言葉は、
決してきれいごとではなく、
とても現実的な意味を持っていると感じています。


これからの社会と個人の不安

今の社会は、大きく変化しています。

結婚しない人が増え、
核家族化がさらに進み、
一人暮らしの高齢者も増えています。

子どもを持つ人と持たない人の差も広がり、
家族の形も多様になっています。

さらに物価は上がり続け、
将来の生活はますます見えにくくなっています。

政治や制度が変われば状況が良くなる可能性もありますが、
急にすべてが好転するとは限りません。

どんなに優れた政治家が現れても、
社会が一瞬で変わるわけではないからです。

だからこそ、
自分自身の人生を支える「資産」を
自分なりに考えていく必要があるのかもしれません。


資産はお金だけではない

資産というと、
多くの人は「お金」を思い浮かべるかもしれません。

もちろん、お金の資産は大切です。

将来の安心につながりますし、
選択肢を増やしてくれるからです。

けれど、人生の資産はそれだけではありません。

例えば、

  • 健康
  • 知識や学び
  • 経験
  • 人とのつながり
  • 心の安定
  • 自分を理解する力

こうしたものも、すべて大切な資産です。

もう1つ、大切な資産は「選択肢」だと思います。

知識があれば、働き方を選べる。
経験があれば、新しい道に進むことができる。
人とのつながりがあれば、助け合うこともできます。

これらは目には見えませんが、
人生の支えになる力を持っています。


自分自身の資産を積み重ねる

自分の資産を増やす方法は、
特別なことばかりではないと思っています。

例えば、

朝の散歩や軽い運動で体を整えること。
日記やメモで感情を整理すること。
本を読んで新しい知識に触れること。
誰かと心の通った会話をすること。
推し活や美容など、自分をワクワクさせること。

小さな習慣の積み重ねが、
少しずつ自分の資産になっていきます。

知識や経験、人との信頼関係は、
簡単に失われるものではなく、積み重ねられるものです。

そして何より、
自分の心を理解し、整える力は
どんな状況でも自分を助けてくれます。


お金の資産と、自分の資産

お金の資産は、
将来の安心をつくるものです。

一方で、自分自身の資産は
人生を支える力そのものになると思います。

健康も、経験も、知識も、
すべて未来の自分を助ける財産です。

ただ、こうした資産は
目に見えにくいという難しさがあります。

お金は数字で確認できますが、
健康や経験、人とのつながりは
数字で測ることができません。

そのため、自分がすでに持っている資産に
気づきにくいこともあります。

気づかないままでいると、
「お金」だけに意識が向いてしまい、
大切な人生の資産が見えなくなってしまうこともあるのかもしれません。

もちろん、お金の資産も大切です。

けれど同時に、
すでに自分が持っている資産にも目を向けることで、
人生の見え方は少し変わるように思います。

どちらか一方だけではなく、
両方のバランスを意識していくこと。

それが、これからの時代を
少し穏やかに生きていく方法なのかもしれません。


今の資産に気づくこと

もし今、将来が不安に感じるときは、
自分が持っている資産」を
少しだけ振り返ってみてもいいかもしれません。

経験してきたこと。
学んできたこと。
出会ってきた人。
そして今も動いてくれている体。

それらはすでに、
自分自身が積み上げてきた人生の資産です。

資産という言葉は、
お金の世界だけのものではありません。

人生そのものの中にも、
たくさんの資産があるのだと思います。

例えば、看護師という資格も1つの資産です。
病院、訪問看護、クリニック、施設など、
働く場所を変えることができます。

また、経験を活かして教育や執筆、相談など
別の働き方につながることもあります。

資格や経験も、
長い時間をかけて積み上げてきた大切な資産だと思います。


おわりに

資産という言葉を聞くと、
大きなお金や特別なものを想像してしまうかもしれません。

けれど、振り返ってみると、
人生の資産の多くは
日々の小さな積み重ねから生まれているようにも思います。

体を大切にすること。
誰かと笑い合うこと。
何かを学ぶこと。
自分の気持ちに気づくこと。

そうした小さな時間が、
少しずつ自分の資産になっていく。

そう考えると、
毎日の過ごし方も
少しだけ大切に感じられる気がします。

比べやすい数字的な資産だけでなく、
ときどき見えない資産にも目を向けてみる。

資産は、遠い未来のためだけのものではなく、
今日という一日の中でも
静かに積み上がっているのかもしれません。


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