「魔女の一撃」――動けなくなった私が学んだ腰痛との向き合い方

看護
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はじめに

ひさびさに大きなぎっくり腰。
いわゆる「魔女の一撃」を受けて、
約3週間が経ちました。

——もし今、同じように腰の不調を感じている方がいたら、
少しでも参考になる部分があれば嬉しいです。

思えば、病院勤めが始まってすぐ、
看護師の職業病とも言われる腰痛に悩まされていました。

「ケアや介助時にボディメカニクスを考えて行動しなさい」

ボディメカニクスとは

ボディメカニクス(Body Mechanics)とは、人体の骨格・筋肉・関節などの解剖学的・生理学的特性を活かし、最小限の筋力で安全かつ効率よく身体を動かすための原理・技術のことです。

重心・支持基底面・てこの原理といった力学的概念をもとに、姿勢や動作を最適化することで、身体への負担を軽減します。特に医療・介護の現場では、患者や利用者の移乗・体位変換などを行う際に、介助者自身の腰部への過剰な負荷を防ぎ、腰痛や筋骨格系障害のリスクを下げる目的で広く活用されています。

具体的な基本原則としては、次のようなものが挙げられます。

  • 支持基底面を広げる — 足を肩幅程度に開いて立ち、安定した土台をつくる
  • 重心を低く保つ — 膝を曲げて腰を落とし、腰椎への集中荷重を避ける
  • 対象を身体に近づける — 重心間の距離を縮めることでモーメント(回転力)を小さくする
  • 大筋群を使う — 腰の筋肉に頼らず、下肢の大きな筋群(大腿四頭筋・大殿筋など)を主動筋として活用する
  • 身体をひねらない — 移動の方向に足ごと向きを変え、脊椎への捻転ストレスを防ぐ

これらの原則を日常動作や介助場面に取り入れることが、
身体への負担軽減と安全な動作につながります。

看護学生時代にさんざん指導されていたのに、
その大事なことをちゃんと遂行できていなかった部分もありました。

のちにこの腰痛に大いに悩ませられるなんて知らず、
正直甘く見ていた部分もあります。

ぎっくり腰や急性腰痛、
これを「魔女の一撃」と呼びます。
ドイツでそう言われるようになり、広がった言葉だそうです。

中世ヨーロッパでは、
突然激痛が走るぎっくり腰の原因が医学的に説明できなかったため、
「見えない魔女に背中を撃たれた」 と信じられていました。

  • 何の前触れもなく襲いくる激痛
  • 外傷がないのに動けなくなる
  • 誰かに呪いをかけられたような理不尽さ

これらの特徴が、当時の人々に「超自然的な力の仕業」と感じさせたわけです。
面白い表現ですが、とても的を得ているように思います。

久しぶりにだいぶ勢いのある攻撃を受けてしまったので、
今回の記事に取り上げました。
少し更新が空いてしまいましたが、
その理由も、この出来事でした。

腰痛に悩まされている方々にも、少し共感を得られるかもしれません。
そして、私のように度々魔女に襲われないようになっていただきたいので、
少し医学的なところや対処方法などに触れていきます。
気になるところだけでも、拾い読みしていただけたら嬉しいです。


初めての魔女襲来

病棟で勤務していた約12年。
忙しいからと、ベッドの高さを調整しなかったり、
疲れていても、ちゃんと休まなかったり。
当時流行っていた、体が冷えるような服装や
ヒールのある靴を好んで身に着けていたりしていた頃です。

働き始めてすぐに腰痛をかかえるようになり、
生理痛や便秘もひどく、しょっちゅう痛み止めを飲む生活。
コルセットも常用していました。
忙しいけれど頑張れた年頃でもありました。

そんな生活を続けながら、なんとか凌いで過ごしてきました。
けれど、30歳を過ぎた頃。
ついに初めて、魔女の一撃を受けてしまったのです。

ある患者さんをポータブルトイレへ移乗時です。
その方は、がん末期の方で全身の浮腫もひどく、
自力での寝返りも、やっとの状態でした。
おそらく80㎏以上はあったと思います。

夜勤中で人手もなく、
1人で介助をしなければならず、
ベッドに戻るために介助をしていたその時。

魔女は来ました。

予告もなく、逃げ場もなく、
ただ一瞬で、体の自由を奪っていきました。

その一撃を受けた私は、
激痛とともに脂汗、
そしてまっすぐに立てなくなっていました。
しかも、まだまだ空は暗くて夜明けは来ていません。

「どうするこの勤務……
乗り越えられる気がしない。」

「2人夜勤で、1人が動けないとなると……
想像するだけでも恐ろしい。」

当直の師長に連絡し、
ナースワゴンにもたれ掛かりながら、
なんとか痛みに耐えました。

けれどもう、その後の記憶は曖昧です。
どうにか手すりに助けられながら斜めになった体で、
病院の敷地内にある寮に帰りました。

「一晩休めば良くなる!」
なんて最初は思っていましたが、
炎症が広がっていたのでしょう。

痛みがどんどん増してきて、
一歩足を出すにも激痛。
どんどん腰は曲がっていき、
防御反応(筋スパズム)が起きていました。

筋スパズムとは

損傷部位をかばうために脳が無意識に筋肉を強く収縮・硬直させる防御反応のことです。体が勝手にどんどん曲がっていくあの感覚は、まさにこの反応によるもので、知らないと本当に怖いです。

そんな自分の体がとっても怖かったです。
どんどん曲がっていき、
どんどん痛くなっていく。

次第にトイレにも歩けなくなり、
師長や看護師の友人にも相談して、受診。

椎間板ヘルニア、
腰椎椎間板変性症、分離症。
色々診断がつくものの、まとめて急性腰痛です。

MRIももはや恐怖でしかなく、
当時の機器も今とは違ってすごく狭かった。
痛みと動けないことで、すでに頭は混乱しているので、
MRIという閉所によって、苦痛は一気に跳ね上がりました。
怖すぎて、止まらない脂汗。
(以降、MRIを受ける時は安定剤服薬してのぞんでいました。それくらい怖かったです。)

とにかく一つ一つの行動や出来事がつらくて、
「普通に動けること」がどれだけ大事だったのか、思い知らされました。

当時は、看護師寮の1人暮らしで、
家族に頼れる状況ではなかったのもあり、
師長の勧めで、入院させてもらうことになりました。

これが私の初めての入院です。
ボディメカニクス、休息や身体の大切さを痛感しました。


はじめての入院生活

働いている病院にお世話になるのは、
絶対にイヤという人もいますよね。

けれど私は、とても安心でした。
知っている環境に、
知っている先生や看護師さんたち、
毎日面会に来てくれる友人たち、
涙が出るほどたくさん救ってもらいました。

もちろん恥ずかしさが無いわけではありませんでしたし、
職場で、すっぴんや髪もボサボサな姿は少し勇気がいりました。

ただ、動けない時にメンタルを保つためには、
当時の私にとって、最高の条件だったと思います。

治療は、ペインクリニック科の
神経ブロック注射の治療を受けることになったのですが、
元々働いていた病棟でもあったので、
いつも看て介助していた側ではなく、
治療を受ける患者側として治療室にいるのがとても新鮮でもありました。

正直、治療台の上で、
知っている先生にお尻を出すのは恥ずかしかったけれど、
もはや痛みでそんなことは言っていられません。

激痛を緩和して欲しい一心。
とにかくまた歩けるようになりたい。
「藁にもすがる思い」をこの時に体験しました。


ペインクリニックの治療

ペインクリニックや、神経ブロック注射という言葉は、
聞きなれない方もいるかもしれません。

少しだけ専門的なお話になりますが、
ペインクリニックとは、痛みの治療を専門とする医療分野です。

脊柱管狭窄症や頸椎・腰椎ヘルニア、
三叉神経痛、坐骨神経痛、PHN(帯状疱疹後神経痛)、
ASO(閉塞性動脈硬化症)、頭痛、癌性疼痛など。

あらゆる痛みを対象として治療します。

そしてペインクリニックは、
神経にアプローチする専門でもあるため、
中には、多汗症や花粉症などの治療を受けている方もいます。

そして、神経ブロック注射というのは、
痛みの原因である神経に対し、麻酔薬に鎮痛剤やステロイド剤などを
その原因神経周囲や筋肉に注射をする治療です。

ブロックの種類も多くあり、
レントゲンやCT/MRIなどの画像診断を基に
治療を進めていきます。

また、より神経ブロックを効果的で安全に行うため、
レントゲン透視下で行うブロック治療もあります。

針治療のように効果がすぐ出やすい治療でもありますが、
炎症や痛みが強い場合は、繰り返し注射を受けていくことも多いです。

実際、すごく効いたと実感したときと、
さほど変わらないということはありました。
内服や座薬の鎮痛剤を併用することも多いです。
個人差はどうしてもどの治療でも起こり得ます。

ペインクリニックは、病院以外でも
クリニックで治療が受けられるところもあります。
痛みで動けなくなる前に、予防的に治療を受けることもできます。


一撃を受けたときの対処法

1 安静にしてクーリングと痛み止め(発症~3日程度)

まず、一番はじめにするのは、
無理に動かないこと=安静にすることが大切です。

痛みがある場合、
目には見えませんが中で炎症を起こしています。
痛み止めやクーリングに湿布など、
急性期にできることはまずその炎症を抑えることをしましょう。

ただ、冷やしすぎはかえって痛みを増強させる場合もあるので、
アイスノンなどで冷やす時は、タオルで巻いた上で、かつ間欠的に冷やす方がいいです。

冷やして心地よい状態であれば問題ありません。
そして、無理に冷やさなければならないこともありません。

症状の強さや、心地よさによって、
自分にとってちょうどいいところがあると思います。
全身が冷えてしまわないように気をつけましょう。

安静にするときも同様に、
楽な姿勢は絶対これ!というものはありません。
横向きで膝を丸くする姿勢が楽な人が多いかもしれませんが、
仰向けで膝を立てる姿勢や、ただ横になるだけで楽という方もいます。
動くのは大変ですが、少しずつ色々な姿勢をとってみて
自分に合う姿勢を探しましょう。

ただし、ずっと長時間同じ姿勢では、二次的な痛みが出てきてしまう可能性があるので、できれば30~60分に一回は軽く寝返りをしたり、お尻を浮かせたりしましょう。
激痛時は動きたくないし、動けないと思うので無理のない範囲で行ってください。

そして、安静にする場所ですが、
普段使っている布団やマットレスでも、
痛いときは、柔らかすぎたり、硬すぎたりする感覚が出てくる場合があると思います。
その時は、バスタオルやクッションなどを使って心地よい硬さを作りましょう。
腰が反りすぎてしまうような姿勢にならなければ、痛みは和らぐと思います。

2 携帯と共に動く

本当に動けないと、本当に何もできないです。
救急車を呼びたいと思うとき、手段がないと大変です。

そういう時のためにも、お守りとして
必ず携帯電話を身に着けておきます。

正直、これだけは声を大にして言いたいのですが、
携帯電話は絶対に手放さないでください。

這ってトイレに行くときもです。

玄関を開けられない状況になった場合も心配ですよね。
最悪の場合を常に回避したいのであれば、
緊急時に解錠できる状態をつくっておくのも大事です。

これは魔女の一撃に限らず、
他の体調不良時もそうですよね。
家族や友人にスペアキーを持ってもらう方法や
キーボックスを設置する方法。
管理会社やコンシェルジュの連絡先を携帯に登録しておく等です。

動けない一人暮らしの時は、
幸いオートロック付の寮だったということもあり、
常に解錠しておきました。
よく考えたら危険ではありましたけど、
いざという時だったので、そうするしかなかったです。
暗証番号を入力して解錠するドアもこういう時は便利ですよね。

3 飲食物の確保

体のどこかに炎症があれば、
必ずそこに体の水分が集まります。
その結果、浮腫みが出る場合があります。

私は今回症状がひどかったことや
浮腫みが日頃から出やすいこともあり、
顔面までパンパンに腫れました。
「え?腰じゃなくて、顔殴られた?」というくらいでした。

安静にしていることで
物理的に顔まで浮腫みやすいというのもあります。
ただ、この浮腫みも炎症が落ち着くとともに和らぎます。
見えない炎症の変化を浮腫みで判断することもできます。

そこで、
つい浮腫んでいると水分を摂らない方がいいように感じるかもしれません。
けれど、その逆で水分は普段通り摂った方がいいです。

脱水状態が重なると、
筋肉や神経へのダメージも繋がってしまいます。

脱水が引き起こす筋肉や神経への影響
筋肉への影響

① 筋痙攣(こむら返り) 脱水によってナトリウム・カリウム・マグネシウムなどの電解質バランスが崩れると、筋細胞膜の電位が不安定になり、不随意な筋収縮(痙攣)が起きやすくなります。

② 筋力・持久力の低下 体重のわずか2%の水分喪失でも、筋肉への酸素・栄養素の運搬効率が落ち、ATP(エネルギー通貨)の産生が低下します。結果として筋出力が著しく低下します。

③ 筋肉痛・回復遅延 水分不足は乳酸などの代謝廃棄物の排出を妨げ、筋肉内に蓄積させます。これが炎症を長引かせ、筋肉の修復・回復を遅らせます。


神経への影響

① 神経伝導速度の低下 神経インパルスの伝達はナトリウム-カリウムポンプに依存しています。電解質バランスの乱れはこのポンプの機能を障害し、反応速度や運動コントロールが鈍くなります。

② 認知機能・集中力の低下 脳は体重の約2%しかありませんが、体内の水分の約75%を含んでいます。脱水が進むと神経細胞間のシグナル伝達が滞り、判断力・集中力・記憶力が低下します。

③ 頭痛・めまい 脱水による血漿量の低下は脳への血流を減少させます。また髄液量も低下するため、頭蓋内圧の変動が頭痛やめまいを引き起こします。



もちろん水分が不足している状態は、
筋肉や神経に限らず、全身に及ぶ影響もあります。

手の届くところに、
ストローを使って飲みやすい状態にしておきましょう。
こまめに寝たままでも摂りやすい状況を作って、脱水予防です。

食事については、
バランスの良い食事が継続できれば理想ですが、
動けない時に麺類をすすったりなんてつらいので、
おにぎりやサンドイッチなど手で食べられるものが便利です。

きっと痛みで食欲はどこかにいってしまいますし、
横向きで食べるのは、結構つらいと思います。

頭を起こすという動作で首や肩も痛くなります。
食べる時だけ枕の高さを高くして少しずつ食べるといいですね。
安静にしている分、消化管の動きも低下するので、
食欲がないときは、無理に食べずに安静を優先しても大丈夫です。

トイレに行く恐怖が頭をよぎると思いますが、
固形物が食べられなくても、水分だけはしっかり摂りましょう。


受診した方がいい場合

大切なのは無理に自宅療養を続けないことです。

足に痺れが走ったり、足の感覚が乏しくなったり、
尿が出なかったり、痛みがどんどん増してくる場合など。
こういう時は、即受診した方がいいです。

タクシーで行けそうであればタクシー。
動けない時は、救急車をお願いする。

1人暮らしで、身の回りのことを自分でやらなければならない時も同様です。

繰り返し発症している場合で、
すでに対処方法が分かっている方以外は、
やはり受診をお勧めします。

腰痛の原因は、さまざまです。
筋肉や神経だけではないこともあります。

腰痛の約85%は原因特定が難しい非特異的腰痛ですが、
残りの15%には重篤な疾患が隠れていることがあります。
下記のサインがひとつでも当てはまる場合は、
自己判断せず医療機関を受診することを強くお勧めします。

✅ 安静にしても痛みが改善しない・夜間痛がある
✅ 下肢麻痺・しびれ・尿や便の失禁・排尿困難
✅ 38℃以上の発熱を伴う
✅ 体重が急激に減っている(理由不明)
✅ がんの既往がある
✅ 痛みが突然・激烈に始まった
✅ 腹部や側腹部の痛みも伴っている
✅ 1ヶ月以上痛みが続いている

腰痛に潜む疾患とは
疾患特徴的なサイン
大動脈解離 / 腹部大動脈瘤突然の激烈な腰背部痛・引き裂かれる感覚・血圧左右差
脊髄圧迫症候群下肢麻痺・膀胱直腸障害(尿閉・失禁)の急速な進行
硬膜外膿瘍 / 化膿性脊椎炎高熱・強い叩打痛・免疫低下・直近の感染症や手術歴

悪性腫瘍(原発・転移)

  • 特徴的なサイン
    • 安静時・夜間に増悪する痛み(体動で楽にならない)
    • 原因不明の体重減少
    • 既往にがんの病歴がある
    • 50歳以上・長期ステロイド使用歴

内臓疾患からの関連痛

疾患ポイント
腎盂腎炎・腎結石側腹部〜腰の叩打痛・発熱・血尿・排尿時痛
膵炎・膵がん背部への放散痛・食後増悪・みぞおちの痛みを伴う
子宮内膜症・卵巣嚢腫月経周期と連動する腰痛・下腹部痛
前立腺がん高齢男性・PSA高値・骨転移による深部痛

整形外科・神経系疾患

疾患特徴
腰椎椎間板ヘルニア下肢への放散痛(坐骨神経痛)・しびれ
腰部脊柱管狭窄症間欠性跛行(歩くと痛み・休むと楽)・高齢者に多い
脊椎圧迫骨折骨粗鬆症の高齢者・軽微な外力でも発症
強直性脊椎炎若年男性・朝のこわばり・運動で改善する慢性腰痛

腰痛のためのセルフケア

さまざまな治療を受けながら、
自分でできるケアもあります。

私は、はじめて歩けなくなるほどの腰痛を経験し、
トイレも行けず、膀胱留置カテーテルを入れました。
毎日、ブロック注射と痛み止めの内服と座薬。
集中的に治療を受けました。

それだけ治療を受けていても、
廊下を歩けるようになったのは、5日ほど経ってからでした。
普通に立てる、普通にトイレに行ける。
何気ない日常生活動作が、
ひとつひとつクリアになっていくには、約一カ月はかかりました。

腰痛には、色々な原因があると言われています。
椎間板ヘルニアなどの診断がされなくても、
腰痛持ちで悩んでいる方が多くいます。

ホルモンバランスやひどい便秘、
運動不足や水分不足に冷えや長時間の同一姿勢。
ストレスや不眠などの要因もあると言われています。

そのため、
この「魔女の一撃」には、
治すために必要な、
見直した方がいい日常生活が潜んでいるかもしれません。

振り返ってみると、どれも特別なことではなく、
日常の中で少し意識できたことばかりでした。
そんな工夫をいくつかご紹介します。

・同じ姿勢が30分続いたら、少し動く。
筋肉は長時間同じ姿勢でいると血流が滞り、硬直しやすくなります。
大きく動かなくても、足首をくるくる回すだけでも十分です。

・急な動きをとらないで、丁寧に動く。
朝起き上がる瞬間、くしゃみの瞬間
——魔女はこういう「油断した瞬間」を狙ってきます。
特に起床時は、横向きになってからゆっくり起き上がるようにしましょう。

・何かを持つときは体に近づける。/手を伸ばして物を取らない、近づく。
これはまさにボディメカニクスの基本です。
重心間の距離が縮まるほど、腰への負担は減ります。

・疲れたら寝る。
疲労が蓄積すると筋肉の緊張が高まり、腰への負荷が増します。
「まだ大丈夫」と思っているときに休むのが、実は一番大切です。

・痛みを我慢しない。
痛みは体からのサインです。
我慢を続けると、庇う動作が別の部位への負担を生む悪循環になります。

・気が付いたら深呼吸をする。
呼吸が浅くなると体幹の筋肉(インナーマッスル)が使われにくくなります。
深呼吸は腰を支える筋肉のリセットにもなっています。

どれもちょっとしたことですが、
気を付けていても、ついつい逆のことをやってしまいがちです。
けれど、自分の体を大切にしていると、
自然と不安や恐怖心が和らぐ感覚もあります。


おわりに

発症したときは、痛みの程度に合わせて
少しずつ活動を増やしていくのが大切です。

痛いのに無理に動いたり、
かといって、安静にしすぎるのも
痛みを長引かせてしまうと言われています。

病院、鍼灸院や整体などプロに委ねる方法もありますが、
腰痛の原因がさまざまな分、
行った先の治療が絶対に効くとも限らないのです。

腰痛には、これがいい!と一言で言いきれないほど
原因も対処方法もそれぞれ違ってきます。

そのためにも、日頃から気を付けられることを
日々積み重ねていくことが大切になります。
腰痛を繰り返してきた経験から、
「治療と同じくらい、日常の小さな積み重ねが大事だ」と実感しています。

今回また魔女に撃たれてしまって、正直悔しかったです。
あれだけ痛い思いをしたのに、またか、と。

けれど、あの頃より怖くなかったです。
対処の仕方を知っていたし、
自分の体のことを少しわかっていたからだと思います。
つらい経験ではあるものの、確かに財産になっていました。

腰痛は、なった人にしかわからない辛さがあります。
外から見えないから「大げさ」に思われることもある。
でも動けないあの感覚は、本当につらいです。
同じ思いをしている方に、この記事が少しでも届いてほしいと思っています。

『腰』は読んで字のごとく、
「体」の「要」です。

今できる小さな習慣から、
少しでも痛みが和らいでいきますように。

——そして、もう魔女に撃たれませんように。

『カモミール』
花言葉は、「あなたを癒す」「逆境に耐える」「苦難の中の力」

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