訪問看護の物品と役立つ便利グッズ

看護師エッセイ
この記事は約7分で読めます。

はじめに

6月は雨の多い季節。
以前、雨の日対策の記事をあげていますが、
今回は、訪問看護の際にあると便利なものを紹介できたらと思います。
ブログ内関連記事➡『訪問看護で役立つ!雨の日も快適に働くコツ【自転車通勤にも】

病院で働いていた時も、
こんなものがあったらいいなとか、
医療機器メーカーに勤めたいなとか。
そんな風に思ったことがあるほど、
「便利グッズ」という言葉につい惹かれます。

まだまだ紙媒体がメインの世代なので、
新聞と来るチラシを見るのが大好きでした。
『便利な品、3点で10,000円!お得!』みたいな、
アイデアグッズを見るのがとても楽しくて、
いつもじっくり見ていたのを思い出します。

まだ雑誌を見ながら、注文書に手書きで書いて、
FAXで通販を楽しんでいた頃もありました。

そしてそれが届くまでのワクワクも大好きです。
今はネットという形に変わりましたが、
ワクワクは同じく味わえますよね。

アナログで、少し不便なくらいが、
創造力をかきたてたり、
どうにかあるもので工夫したり、
物の価値が高かったように思います。

訪問看護では、
様々なお宅に訪問することもあって、
同じ状況のことはまずないのと、
家にあるものでどうにか工夫することが多いです。

そこで今回は、
私自身が「持っていてよかった」と感じた、
訪問バッグの便利グッズやちょっとした工夫をご紹介したいと思います。


訪問看護の物品は誰が準備する?

訪問看護の際に使用する、
使い捨てのグローブやエプロン、マスクなど
一体誰が準備するのかというところも
実はあまり知られていないように思います。

よく間違えられるのは、
訪問”介護”と訪問”看護”でのこと。

訪問介護では、
サービス提供に必要なグローブなどの消耗品は
事業所側で準備することが一般的です。

一方、訪問看護では
グローブやエプロンなどの消耗品を
保険請求する仕組みになっていないため、
利用者さん側に準備をお願いすることも少なくありません。

ただし、実際の運用は事業所によって異なり、
必要時には事業所で準備している場合もあります。

よく利用者さんやご家族からは、
「ヘルパーさんはグローブを持ってきてくれるのに、
看護師さんは持ってこないで、家のものを使われる。」と言われます。

説明を聞いてくださる方には、
ちゃんと理解していただけるのですが、
保険の仕組みが複雑な分、わりとクレームに繋がったりもするのです。

保険制度上の取り扱いが異なるため、
訪問介護も訪問看護も利用している方には誤解が生じやすい上に、
各事業所によって物品管理や方針が違うところが混乱させてしまうのだとは思います。

事業所からの持ち出しをするところもあれば、
仕組みに合わせて必要なものは利用者側に準備していただくところもある。

代わりに手数料をつけて購入対応もしている事業所もあれば、
金銭のトラブル防止や手間のために対応しないところもあります。

そして、
訪問介護も看護も同じですが、
急な体調不良で緊急訪問が必要になることもあります。
また、体調変化によって新たな物品の準備が必要になることもあります。
いつ、なにが必要になるかは毎日分かりません。

そのために、念のためバッグに準備していたものから
とりあえず対応するという場面も少なくありません。

そういった状況もあって、
「あの時は、準備してくれたでしょ?」なんてこともしばしば生まれてしまいます。

ほとんどが、急激な体調の変化に伴うタイミングなので、説明を予めしていたとしても、
やはり覚えてはいられないのもよくわかります。


必要物品をわかりやすく伝える工夫

先述したようなトラブルや混乱を防いで、
お互い気持ちよくケアができるように、
必要物品のリストを作っておくのも便利です。

入院時に渡すようなリストで、
チェック項目のある一覧表をつくっておけば、
説明もスムーズになります。

たくさん羅列されているものは、見たくないし、
分からないという人も中にはいらっしゃったり、
これだけ買い足して欲しいという時は、
簡単なメモでもいいです。

訪問看護では特に、
目で見て分かる形で伝える工夫がとても役立ちます。
訪問医やヘルパーさんにも伝わりやすいという側面もあります。
ただ、中にはそれを嫌う方もおられるので臨機応変に活用しましょう。

ヘルパーさんが介入している方だと、
ヘルパーさんの近隣のスーパーや薬局の情報量は最強なので、
タイミングや内容によっては買い物代行をお願いできることもあります。

けれど、訪問看護だけの場合や
これは必ず購入して欲しいものなどは、
スマホでパッケージを見せたり、
訪問前に準備できる場合は、商品の画像などを印刷して
購入できる場所やおおよその金額を書いてお渡しすることもあります。


訪問バッグに入れていた便利グッズ

最低限の必要なものは、
事業所から持ち出すことが多いと思います。

例えば、血圧計や聴診器。
ガーゼやテープ類にマスク、グローブ、
駆血帯や医療用ハサミ、爪切りなど。

病院に比べると、
個人的に購入するものも多いですし、
使い勝手もあるので、支給されたものではないものを
自分で買って使っているものも多かったです。

私は、自分で購入したものがいくつかあります。
少し右耳が聞こえづらいのもあって、
聴診器はやっぱりリットマン。

爪切りも、足用の刃が真っすぐのものや
巻き爪用の細いやすり。
ニッパーは大きいものと、小さいものの2種類を使い分けていました。

バインダーなどの文具類も
自分が使いやすいものを使っていました。

細かいところを考えるとたくさんあるのですが、
訪問の現場で「持っていてよかった」と感じたものを紹介します。

大きな液晶体温計+バイブ機能付き、非接触体温計
聴こえやすい音や最近ではバイブレーション機能付きは便利。
非接触体温計は、気温を計ることもできるので、
熱中症対策にもなります。

ペットボトルキャップに穴開けたもの
ペットボトルを洗髪時や陰部洗浄、褥瘡処置などに使います。
その際のシャワーヘッド部分になるキャップに、
数か所キリで穴を開けておいたものを何個か持っておきます。
突然の処置に、とても便利でした。

耳掃除ライトと先の丸いピンセット
処置灯が無いため、耳の中が見やすくなります。
高齢の方は、耳垢で完全に塞がっていることも多々あります。
先が丸いもので過刺激を予防します。
ピンセットにライトがついているものも便利です。

カードケースフィルム
薬カレンダーのポケットにちょうど入るので、
ポケットからの取り出しがスムーズになります。
一包化されるまでの期間一時的に使うこともあります。

マスキングテープ、付箋や一筆箋
マスキングテープは、壁に貼ってもきれいに剥がれますし、
セロハンテープとは違って、手でカットできるので持ち歩くのも楽。
付箋や一筆箋で、メモを残したりご家族への伝言にも使えます。

非固着性ガーゼ(傷にくっつきにくいガーゼ)
褥瘡発生時や、転倒による傷の処置などに使います。
ガーゼは、ほぼほぼ創傷処置に使うと思いますが、
その殆どが非固着性ガーゼが適していることが多いですよね。
最近は薬局でも見かけるようになりましたが、
扱っていないところも多いので用意しておくととても役立ちます。

正座用の椅子
1時間みっちり正座でお話を聞くときもあるし、
担当者会議で身を寄せ合って関係者が床に座ることも。
自分の足を守るために(笑)使っていました。
プラスチック製でアルコールで拭けるものがお勧めです。
折りたためて、かさばりません。

他にも持っていると便利なものはたくさんあります。
・極太から普通の油性マジック
(点滴などの処置や薬袋の日付記載など)
・蛍光ペン
(検査データや指導するときに)
・インデックス付クリアファイル
(契約書、計画書などの書類を分類して管理)
・ジップロックやごみ袋
(細々したゴミをまとめたり、感染対策に使えます)
・替えの靴下(汚染時や雨の日などの備えに)  など


おわりに

訪問看護では、
病院のように必要な物がすぐそろう環境とは限りません。

だからこそ、
少し先を想像しながら準備をしておくことや、
その場にある物を工夫して活用する力が大切になります。

よく利用者さんやご家族に、
「そんなに大きな荷物なの?旅行でも行けそうね。」
なんて言われることもあるくらい、
荷物持ちになってしまいますが、
色々な対応ができるための大切な七つ道具です。

今回紹介したものはどれも特別な物ではありませんが、
現場で「持っていてよかった」と感じたものばかりです。
少しの工夫が大きな助けになります。

これから訪問看護を始める方や、
日々の訪問に慌ただしさを感じている方の参考になればうれしいです。

※今回ご紹介した物品は、事業所のルールや担当する利用者さんによって必要性が異なります。
 ご自身の訪問スタイルに合わせて取り入れてみてください。


コメント