便の形・量・色でわかる健康状態|腸活にも役立つブリストルスケールと排便観察のポイント

看護
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はじめに

医療の分野では、
便の性状を示す「ブリストルスケール」というものがあります。

最近は、腸活ブームということもあって、
もしかしたら聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

このスケールはとても便利で、
看護の現場で、よく使用していました。

普段、
大人で他人の便を見る機会って
なかなかないと思います。

そして、それを誰かに事細かく共有することは
介護や医療の世界以外では、ほとんどしないですよね。

けれど、便は健康管理の一環として
とても大切な情報の1つです。

そこで今回は、
そんな便のことについて、掘り下げていきます。


腸活が注目されている理由

テレビでもSNSでも、
「腸活」という言葉を耳にする機会が増えました。

腸は、食べ物を消化・吸収するだけではなく、
免疫機能や心の健康にも関わっているといわれています。

そして、
腸は「第二の脳(セカンドブレイン)」とも呼ばれることもあります。

また、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」は、
その多くが腸で作られていることでも知られています。

セロトニンの約90~95%は、
腸で作られていることが分かっています。
ただし、腸で作られたセロトニンが直接脳へ届くわけではありません。

そして、セロトニンのほかにも、
食欲や血糖の調整に関わるさまざまな腸管ホルモンや、
ドーパミンなどの神経伝達物質が腸で作られていることが分かっています。

近年では、
腸と脳が自律神経や腸内細菌を介して
相互に影響し合う『腸脳相関』という考え方が広く知られるようになり、
腸内環境を整えることが心身の健康につながる可能性が注目されています。

もちろん、便の状態だけで
心や体の状態をすべて判断できるわけではありません。

それでも、毎日の排便は、
自分の体からの大切なメッセージの1つといえると思います。


ブリストルスケールとは?

ブリストルスケールとは、
便の形や硬さを7つのタイプに分けた指標です。

医療や介護の現場では、
「便が出た」という情報だけではなく、
「どのような便だったか」を共有することがとても重要になります。

例えば、訪問看護では
サービス時に、利用者さんの排便をタイミングよく確認できるとは限りません。

ヘルパーさん、看護師、リハビリスタッフ、医師などが
連絡ノートや記録を通じて情報を共有しながら、
下剤の調整や浣腸などの排便ケア、
薬の処方内容を検討するヒントにしています。

「少し硬めの便でした」
「軟らかかったです」
だけでは、人によって受け取り方が異なってしまうことがあります。

そのため、
ブリストルスケール「3」「6」といった
共通の物差しを使うことで、より正確に状態を共有できます。

このスケールを連絡ノートにはさんでおくと、
ビジュアルでも性状が確認できるのがとても便利なところです。


便は量も大切な情報

便の状態をみるときには、
形や硬さだけではなく「量」も重要な観察ポイントです。

医療や介護の現場では、
便の量を「母指大」「巨峰大」「ゴルフボール大」
「鶏卵大」「拳大」「片手一杯分」「両手一杯分」など
と表現することがあります。

文字にすると少しユニークですが、
実際にはとてもイメージしやすく、
職種が違っても共通認識を持ちやすい表現です。

「今日はゴルフボール大の便が1個ありました」
「昨日は片手一杯分くらい出ていました」

このような情報は、
便秘の評価や下剤調整の大切な判断材料になります。

普段はあまり意識しないかもしれませんが、
便は私たちの体の状態を教えてくれる貴重なサインです。

便を見ることは、
単に便秘かどうかを確認するだけではなく、
その人の食事・水分・活動量、そして生活全体を見つめることにもつながります。


便の色でわかること

便は、
「色」もまた健康状態を知るための大切な情報です。

便の色は、
肝臓で作られた胆汁(たんじゅう)
という消化液の色素が腸内で変化することで、
一般的には黄褐色から茶色になります。

しかし、食事や薬、体調の変化によって、
一時的に色が変わることも少なくありません。

例えば、

・緑黄色野菜をたくさん食べた後の緑色の便
・イカ墨や黒ゴマを食べた後の黒っぽい便
・鉄剤を服用しているときの黒い便
・ビーツやトマト、赤ワインなど、色の濃い食品を食べた後の赤みがかった便
・脂っぽい食事のあとや消化不良の際にみられる、一時的な黄色く軟らかい便

などは、比較的よく見られる変化です。

このように、
原因がはっきりしていて一時的なものであれば、
過度に心配する必要はありません。

一方で、便の色が体からのSOSサインになっている場合もあります。
※赤ワインなどの飲食後に一時的に便の色が変わることがありますが、原因が思い当たらない赤い便や、繰り返す血便は医療機関へ相談しましょう。

例えば、

・タールのように真っ黒でベタベタした便(黒色便)
・鮮やかな赤い血が混じる便(血便)
・白っぽい、灰色の便が続く場合
・黄色く脂っぽい便が続く場合

などです。

黒色便は胃や十二指腸からの出血、
赤い血便は痔だけでなく大腸からの出血が隠れていることがあります。

また、白っぽい便や灰色の便は、
胆汁の流れが悪くなっているサインで、
胆道系の病気や肝機能の低下などが関係していることがあります。

ただし、白っぽい便が1回出ただけで、
必ずしも病気とは限りません。

疲れや消化不良、下痢のあとなどに、
一時的に便の色が薄く見えることもあります。
また、脂っぽい食事のあとには、
黄色っぽく軟らかい便になることもあります。

一方で、灰色や白色の便が続く場合や、
黄疸、腹痛などを伴う場合には、
胆道系や肝臓の病気が隠れていることもあるため、医療機関へ相談しましょう。

また、黄色く脂っぽい便が続く場合には、
脂肪の消化吸収に関わる膵臓や胆汁の働きが低下している可能性があります。

もちろん、
便の色だけで病気を判断することはできません。

ただ、
いつもと違う色が続く
腹痛や発熱、だるさ、体重減少などを伴う」という場合には、
自己判断せず、医療機関へ相談することも大切です。

できれば排便があったら、そのたびに
色や形、量に目を向けてみると、
体からの小さなサインに気づけるかもしれません。


おわりに

便の話は、少し恥ずかしく感じるかもしれません。

けれど、自分の便を観察することは、
自分の体からのサインに耳を傾けることでもあります。

便の形、量、色には、
その日の食事や水分量、活動量、薬の影響、
そして時には病気のサインまで、さまざまな情報が隠れています。

医療や介護の現場では、
排便の情報がケアの方向性を左右することも少なくありません。
それほど、便は私たちの健康を映し出す大切なバロメーターなのです。

私たちの体は毎日、便という形でたくさんのサインを送ってくれています。

毎日じっくり観察する必要はありません。
けれど、トイレのあとに少しだけ「今日はどんな便だったかな?」と気にかけてみる。

そんな小さな習慣が、
自分の体を知り、いたわるきっかけにつながるかもしれません。


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