はじめに
「もっと計画的に動かなきゃ」
「こんなことで疲れて情けない」
「今日は何もできなかった」
「これだと自分に甘すぎるのかな」
そんなふうに、自分に厳しい言葉をかけてしまうことはありませんか。
「自分がもっと頑張らなければ」と思うことで、
これまで乗り越えてきた人もいるかもしれません。
だからこそ、自分を責めることをやめようとしても、
どこか不安になることがあります。
一方で、自分を責めることが習慣になると、
何か起こるたびに「自分が悪かったのでは」と考えてしまうことがあると思います。
そんなときこそ、
「自分に優しくする」ことが必要なのかもしれません。
でも、その「優しくする」って何?どうしたらいいの?と戸惑うこともあります。
そしていつの間にか、
「自分に優しくしている」のではなく、
「自分を甘やかしている」領域に入ってしまっているのではないかという不安にも襲われます。
もっと気楽に考えられたらいいと思う反面、
真面目にやらなきゃという思いも捨てきれない。
そこで、「自分に優しくする」とはどういうことなのか、改めて考えてみようと思います。
「自分に優しくする」と「甘やかす」は違う
私なりに、とてもシンプルに考えてみました。
甘やかすことは、その瞬間の自分が楽になることを優先してしまうこと。
一方で、
自分に優しくすることは、今の自分と、未来の自分の両方を大切にすること。
たとえば、
仕事で失敗したときに
「自分はダメだ」と責め続けるのではなく、
何が原因だったのかを振り返り、
次にできることを考える。
食べたいものを我慢できなかった日に、
「また自分を甘やかした」と責め続けるのではなく、
その一食だけで判断せず、次の食事から普段の生活に戻す。
疲れている日に無理をして頑張るのではなく、
必要な休息をとる。
そして、「今日は疲れているから、しっかり休もう。
明日少し元気になったら、できることをしよう」
と考えるなら、それは自分に優しくしているのだと思います。

反対に、
「やらなきゃいけないから、疲れていても頑張る」
というのも、必ずしも自分を大切にしているとは限りません。
頑張ることが、自分にとって本当に必要なことなのか。
それとも、「頑張らなければ価値がない」と思っているのか。
そこを少し立ち止まって考える。
できたこと・やってきたことを自分で認める。
自分に優しくすることは、いつでも自分のしたいことを優先することではないと思っています。
ときには、目の前の楽さよりも、これからの自分に必要なことを選ぶ場合もあると思います。
自分を責める癖は、どうしてできるのだろう
自分を責めてしまう人は、
「もっと自分に優しくすればいい」
と言われても、なかなかできないことがあります。
頭では、
「そんなに自分を責めなくてもいい」と分かっている。
それなのに、何かあると自然に、
「自分が悪かったのでは?」
「もっとできたはず」
「こんなことで休んでいていいの?」と考えてしまう。
もしかすると、こうした癖は、
これまでの自分を守るために身につけたものだったのかもしれません。
自分に厳しくすることで、
「もっと頑張ろう」
「次は失敗しないようにしよう」と、
自分を動かしてきた。
そう考えると、自分を責めることは、
単純に「悪い癖」と切り捨てられるものでもない気がします。
時には、それが行動する力になってくれたこともあったのではないでしょうか。
だからこそ、
それを「過去の自分のがんばりだった」と認めて、
今の自分まで必要以上に責めないことも大切なのだと思います。
自分を責めることで、自分を動かしてきた人ほど、
「責めることをやめたら何も頑張れなくなるのでは」と不安になるのかもしれません。
「何もしない時間」も、無駄ではない
「何もしない時間は無駄なのでは」と感じてしまうことがあると思います。
けれど、休息や趣味の時間まで、
すべて「何かの役に立つか」で判断する必要はありません。
心身を整えたり、楽しんだりする時間も、
生活の一部です。
例えば、映画を観ることは、
何かを生産しているわけではありません。
でも、楽しい。
何かを生み出していない時間にも、意味があります。
自分への言葉を変えてみる
自分に優しくしようと思っても、
急に自分を好きになれるわけではありません。
自分を責める癖が長く続いていたなら、なおさらです。
まずは、
「あ、今また自分を責めているな」
と気づく。
そして、少しだけ言葉を変えてみます。
「どうしてできなかったんだろう」ではなく、
「何があったんだろう」
「どうしてこんなこともできないんだろう」ではなく、
「今は何を優先したらいいんだろう」
「また失敗した」ではなく、
「次にできることは何だろう」
人には「大丈夫ですよ」「よく頑張りましたね」と声をかけられるのに、
自分には同じ言葉をかけられないことがあります。
そんなときは、
大切な友達に話しかけるように、
自分にも言葉をかけてみる。

もし、尊敬している人や信頼できる人が、
今の自分と同じ状況にいたら、どんな言葉をかけるでしょうか。
「何があったの?」
「それは大変だったね」
「今は何を優先したらよさそう?」
「次にできることは何だろう?」
その人ならどんな選択をするだろう、と考えてみる。
そうやって少し距離を置いて考えることで、
自分一人では見えなかった考え方が見えてくることがあります。
おわりに
甘やかすことは、その瞬間の自分を楽にすること。
自分に優しくすることは、今の自分だけでなく、未来の自分のことも考えること。
自分に優しくするというのは、
何でも自分を許すことではなく、
自分を責めるだけで終わらせないことのように思います。
これまで自分を厳しくすることで頑張ってきた人にとっては、
自分を責めることをやめるのが、かえって不安になることもあるかもしれません。
だからこそ、いきなり自分を好きになったり、
何でも前向きに考えたりする必要はありません。
ただ、自分にかける言葉を少し変えてみる。
迷ったときには、信頼できる人ならどう考えるだろう、と想像してみる。
それでも難しいときには、
大切な友達や、尊敬する人ならどんな言葉をかけるだろう、と想像してみる。
そんなふうに、少しずつ自分との向き合い方を変えていく。
自分を責めることをやめるのではなく、
自分を責めるだけでは終わらない。
それも、自分に優しくする方法の一つなのだと思います。


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