「好きな人フィルター」から思うこと|人を見るときのフィルターと価値観

日常・ライフスタイル
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はじめに

大好きなドラマ『Tシャツが乾くまで』。
毎回楽しみに観ています。

そして、さまざまな考察が飛び交うほど、
いろんな角度から楽しめるドラマでもあります。

はじめは、不倫ものなのか、
サスペンスなのか……なんて思いながら観ていました。

でも、観ているうちに、
「人」について考えさせられる場面が多いドラマだなと感じるようになりました。

人それぞれに、考え方や生き方がある。
夫婦やパートナーの形も違えば、育ってきた環境も違う。

外から見えているものと、自分が感じているものも、
きっと同じではありません。

その中で「好きな人フィルター」という言葉も1つポイントになっています。
私たちは、思っている以上に、
日頃からいろいろなフィルターを使っているのかもしれません。


たくさんのフィルター

たとえば、こんなフィルターです。

「信頼できる人フィルター」
「苦手な人フィルター」
「家族フィルター」
「年齢フィルター」
「言葉フィルター」
「職業フィルター」

こうやって挙げてみると、キリがないかもしれません。

たとえば、
信頼している人が言ったことなら、
何でも正しいように思えてしまう。

家族だから、「介護しないと」と思う。
もう年だから、「こんな格好をしたら恥ずかしい」と思う。

「動物や物を大切にする人だから、
きっと人にも優しい人なんだろう」と感じることもあるかもしれません。

いつの間にか、こういう人はこうだろうという予測。
時には偏見。こうあって欲しいという願望や理想も含まれているかもしれません。


フィルターと「レッテルを貼る」こと

このフィルターについて考えていると、
どうしても頭に浮かぶことがあります。
学生時代の倫理の授業で習った「レッテルを貼る」という言葉です。

その人そのものを見ずに、マイナスのイメージや憶測でカテゴライズしてしまうこと。

フィルターにも、
少し似たところがあるように思います。

ただ、
「レッテルを貼る」はどちらかというと、悪い意味で使われる言葉です。

一方で、「フィルター」は、もう少し広い意味で使えるように感じます。

好きな人を好意的に見ることも、
苦手な人を警戒することも、
これまでの経験から「こういう人かもしれない」と考えることも、
広い意味ではフィルターを通しているのかもしれません。


フィルターは、自分にしか装備できない

そして、この「フィルター」について考えているうちに、
もう一つ思ったことがあります。

それは、「フィルターは、自分にしか装備できない」ということです。

当たり前といえば当たり前なのですが、
自分が見ている世界と、誰かが見ている世界は、同じではない。

同じ人を見ても、
「優しい人」と感じる人もいれば、
「ちょっと苦手な人」と感じる人もいる。

同じ言葉を聞いても、
「心配してくれている」と受け取る人もいれば、
「否定された」と感じる人もいる。

どちらかが間違っているというより、
それぞれが違うフィルターを通して、
その人や出来事を見ているからなのかもしれません。

自分のフィルターを、
誰かにそのまま貸すことはできません。

「私はこう見えているから、あなたもきっと同じように見えているはず」
そう思ってしまうと、そこからすれ違いが生まれることもありそうです。


フィルターは、これまでの自分でできている

では、そのフィルターは、いったい何でできているのでしょう。

これまでの経験。
育ってきた環境。
大切にしている価値観。

誰かに言われた言葉や、過去に傷ついた経験。
反対に、誰かに救ってもらった経験など。

好きなものや嫌いなもの。
「こうありたい」という理想。
「こういう人であってほしい」という期待。

そういうものが少しずつ重なって、
自分だけのフィルターができていくのかもしれません。

だから、同じ出来事を見ても、人によって感じ方が違う。

そして、そのフィルターには、
自分がこれまで生きてきた時間が、たくさん詰まっているのだと思います。


フィルターに助けられることもある

ここまで考えると、
「フィルター」は偏った考えやレッテルのように、
あまり良くないもののようにも思えてきます。

けれど、それぞれの人生で、
それぞれの経験があるからこそ、
「この人なら大丈夫」と思えることもあると思います。

逆に、
「これはちょっと危ないかもしれない」と感じて、
自分を守れることもあります。

好きな人の優しさに気づきやすくなったり、
自分が大切にしたいものを見つけやすくなったりすることもあるでしょう。

「フィルター」は、
世界を歪めるだけのものではなく、
自分が物事を見るときの一つの視点なのかもしれません。

ただ、そのフィルターを通して見えているものが、
「すべて」ではないことは覚えておきたいです。


「この人は、こういう人」と決めた瞬間

人間関係で難しいのは、フィルターそのものよりも、
そのフィルターを通して見えたものを「その人そのもの」だと思ってしまうことなのかもしれません。

「この人は優しい人」
「この人は冷たい人」
「この人は信頼できる人」
「この人は苦手な人」

一度そう思うと、その後の出来事も、
そのイメージに合わせて見てしまうことがあります。

優しいと思っている人が少し冷たい態度を取っても、
「今日は疲れているのかな」と考える。

反対に、苦手だと思っている人が同じことをすると、
「やっぱりこういう人なんだ」と思ってしまう。

もしかしたら私たちは、相手を見ているようで、
自分の中にある「その人のイメージ」を見ていることもあるのかもしれません。

「好きな人」に対するフィルターは、
ある意味では、これまで積み重ねてきた「信頼」からできているのかもしれません。
だからこそ、その人のことを好意的に見ることができる。

一方で、それも自分の価値観を通した見方です。

「この人ならきっとこうしてくれる」と期待することで、
実際には見えていない部分まで、勝手にイメージで補ってしまうこともあるのかもしれません。


相手を見ているようで、自分が見えてくる

そして、ここがフィルターの面白いところでもあります。

相手を見ているつもりが、
実は自分の価値観が見えてくることがある。

たとえば、
動物や物を大切にしている人を見て、
「優しい人だな」と感じたとします。

それは、その人が実際に優しいということだけではなく、自分の中に「動物や物を大切にする人は優しい」という価値観があるから、そう感じているのかもしれません。

つまり、相手を見ているようで、自分自身の価値観も見えてくる。

「私は、こういうところに優しさを感じるんだな」
「こういう人を信頼しやすいんだな」

そんなふうに、自分のフィルターを見てみると、
自分が何を大切にしているのかにも気づけそうです。


フィルターを外すのではなく、使い方を考える

では、フィルターはないほうがいいのでしょうか。

これまで生きてきた経験も、
感じてきたことも、考えてきたことも、
全部含めて今の自分がいる。

それを全部取り払って、まっさらな状態で人を見るなんて、きっとできません。

だから、フィルターを全部外す必要はないと思います。

ただ、「あ、今の私はフィルターを通して見ているかもしれない」と、一度立ち止まる。

信頼している人だから、きっと正しい。
苦手な人だから、きっと嫌なことをする。
家族だから、こうするべき。
年齢や職業から、きっとこういう人だろう。

そんなふうに思ったときに、
「これは相手そのものなのか、
それとも私のフィルターを通して見えているものなのか」と考えてみる。
それだけでも、人の見え方は少し変わるかもしれません。


おわりに

相手には、相手のフィルターがある。

そのフィルターは、
時には掃除の仕方を誰かに教えてもらえても、
誰かと貸し借りができるものでもありません。

そして、フィルターがどんなものでできているのかは、
その人がこれまで生きてきた時間を知らなければ、全部を理解することはできません。

そう考えると、人間って、やっぱりおもしろい。

……とはいえ、私はこれまで、
人間関係を「おもしろい」と思うより、
「難しい」と思ってしまうことのほうが多かったように思います。

相手の気持ちを考えすぎたり、
自分の受け取り方が間違っているのではないかと悩んだり。

「人間関係って、どうしてこんなに難しいんだろう」と思うこともありました。

でも、少しだけ距離を置いて、
「この人は、どんなフィルターを持っているんだろう」
「私は、どんなフィルターを通してこの人を見ているんだろう」

そんなふうに考えてみると、
少しだけ人間関係をおもしろいものとして見られる日もあるのかもしれません。

そして、フィルターは、長く使っていれば、知らないうちに汚れていることもある。昔の経験からできたフィルターを、今の自分にもそのまま使っていることもあるかもしれません。逆に、これまでの経験によって、新しいフィルターが必要になることもある。

だから、ときどき掃除をしてみる。
必要なら、交換。

「これ、今の私にも必要なフィルターかな?」
「ちょっと古くなってないかな?」

そんなふうに、自分のフィルターを点検する。

……ドラマを観ながら、
私も「フィルター掃除しなきゃ」と思いました(笑)。

フィルターは、
世界を歪めるだけのものではありません。
これまでの経験から身につけた、大切なものでもあります。

自分を守ってくれることもあるし、
大切な人やものに気づかせてくれることもある。

人間関係は、やっぱり難しい。
悩んだり、うじうじしたり、いらいらすることもたくさんあります。

それでも、ときどきは自分のフィルターを掃除しながら、
「人間関係って、難しいけどおもしろいな」
そんなふうに思える日があったら、
クスッと笑えることも、少し増えるのかもしれません。


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